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DIR EN GREYと宮本佳林【文字量多め】ブログ
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T-SITEさんがサイトごと無くなるというので保管です。
DIR EN GREY・薫 & Toshiyaインタビュー 巡り巡ってきた最新型のDIR EN GREY「詩踏み」
2016年7月22日 (金) 12:00 配信 T-SITEニュース エンタメ
元URL(削除済):http://tsutaya.tsite.jp/news/j-rock/i/29824513/

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DIR EN GREYが、通算28作目となるシングル「詩踏み」を完成させた。実に激しく攻撃力の高いナンバーでありつつ、叙情的な側面も併せ持ち、そのインパクトは絶大である。全国ツアー『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of VULGAR]』でいち早く披露されたこの曲の話題をはじめ、過去のアルバム作と向き合う一連のライブ等について、薫(G)とToshiya(B)の2人に語ってもらった。(インタビュー&文:早川洋介)

―まずは、アルバム『VULGAR』(2003年)を軸とするツアー『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of VULGAR]』を終えてみての感想から教えてもらえますか。

薫:『VULGAR』と『ARCHE』(2014年)の曲がどういうふうに絡んでいくのかが最初は見えなかったんで、そこは面白くなるんかなって思ってたんですよ。ただ実際は、わりとなじんじゃって、すんなりいってしまったかなぁという感じはしましたね。

―イメージしていたよりもスムーズにまとまったと?

薫:そう。最初はミディアムテンポな歌モノ的なものを多めにして、ちょっと雰囲気を作るような流れにしてたんですね。でも、それやと『VULGAR』を感じ取りにくいというか。なので、ノリのいい曲を重点的に入れる感じにしたんですよ。そうしたら、『VULGAR』の曲も『ARCHE』の曲もそんなに違和感なく溶け込んでたんですよね。もうちょっと違和感を出したかったんですけど、『VULGAR』自体がそういう感じの作品じゃなかったんだなと……わりと普通にやれてたという(笑)。そういう意味では面白味に欠けるかなとも思ったけど、まあ一発目なんで、これでいいのかなぁなんて思いつつやってた感じですかね。

―Toshiyaさんはいかがですか?

Toshiya:『VULGAR』は、従来のDIR EN GREYにヘヴィ路線の色が入ってきたアルバムだったなって、今あらためて思うんですね。で、そのヘヴィ路線と、DIR EN GREYがそれまで持ってたロック色だとか、この言い方は正しいか分からないけど――軽快さやキャッチーさ、ポップさが絶妙に溶け合ってたアルバムなのかなと。ライブでやってみて、そう思うところも強くあったりして。たぶん違和感がないっていうのは、そのヘヴィ路線ってものが入ってきた作品というところで、なじみやすかったんじゃないかと。

―13年前の作品であっても、現在の礎はそこで作られていたからこそ。

Toshiya:うん。でも何より、曲の質感的に自分でもびっくりするぐらい新鮮だったし、やってて気持ちよかったかな。
13年前の作品『VULGAR』は自分たちの歴史においてひとつの時代を作ったもの、ぐらいの感じですね

―『VULGAR』は、次作『Withering to death.』(2006年)と共に後進に多大な影響を与えた作品だと思うんですが、そうしたエポックメイキング的存在として扱われることはどう思います?

Toshiya:当事者として、ですか?

―はい。それぐらいの手応えを当時から感じていました?

Toshiya:それはないかな。結果的にそうやって『VULGAR』を評価してくださるのはすごく嬉しいし、ありがたいんですけど、自分たちの中ではDIR EN GREYのひとつのアルバム、自分たちの歴史においてひとつの時代を作ったもの、ぐらいの感じですね。

―薫さんはいかがです?

薫:……どうなんですかね、分かんないですね(笑)。まあ、とっつきやすい感じなんかな、とは思いますけどね。それで、そういう人もいたのかもしれないですけど。正直に言うと、自分らではあんま考えたことないんで(笑)。

―どうやら、そんなでもなかったようですね(笑)。

Toshiya:ははは(笑)。ただ、そのヘヴィ路線の中に“自分たちの中では普通だったものが意外とキャッチーに聴こえてた”みたいな部分は、今聴くとありますよね。ただ、それぐらいでしかないかな。

―なるほど。過去のアルバムに向き合うという点では、2014年に『GAUZE』(1999年)をテーマに掲げたツアーがありましたが、封印を解く感覚もあったあの時と比べてみてどうですか?

薫:『GAUZE』のほうは、やっぱり曲の成り立ちが今とまったく違うんで、しっかり向き合わないとできないし、そっちに身体が行かないというか。実際にやっていても、ちょっとなじまないぐらいだったんで。『VULGAR』の場合はたまにやってる曲も多いんで、普通に演奏していた感じですけど、『GAUZE』は少し抵抗がありながらやってましたね。なんかリズム感も今と違うなぁ、みたいに感じてたりして。

Toshiya:『GAUZE』のツアーに関しては、ちょっとお祭り感覚が強かったかな。

―どちらかというと、“ファンに向けて”みたいな?

Toshiya:うーん……というよりも、意外と“自分たちに向けて”かな(笑)。曲の成り立ちに関してはまったく同意見で、リズムのとり方からしてまず違うんで。自分たちが作ったものだけど、かなり忘れてる感覚に近いというか、またイチから始めるような雰囲気があったし。でも、すごく楽しみにしてくれていた人も多かったし、それはそれでいいんですけどね。
このタイミングで「詩踏み」のような曲が出てきたっていうのは、バンドというものの不思議な何かがあるんだろうな

―今回のツアーに話を戻すと、たとえば「明日無き幸福、呼笑亡き明日」のような、シャッフルビートとああいったキャッチーなメロディが融合したバランス感覚は、やはり当時ならではのものですか?

薫:やっていて、そういう感じはしましたね。こういうところを目指して行きたいんやろうけど、やっぱりそこまで手が届いてない、自分たちが育ってきた中での勝負をしてる感じだな…っていうのはやっていて思いましたね。

―ああ、そういう解釈ですか。

薫:そう。この曲のこういうところは今ならもっと違うニュアンスで出すんやろうけど、“ああ、この時は、それまでの自分たちが聴いてきたものの中での判断でこうなってるのかなぁ”とか。だから、“日本のバンドやなぁ!”っていう感じがすごくしたんですよね……もちろんそうなんですけど(笑)。なんていうか、基本はポップですよね。それが、ちょっと恥ずかしいぐらいポップなところもあるなぁと。

-ただ、純粋に楽しめましたし、今後もまた聴いてみたいですけどね。そして、アンコールで披露された新曲「詩踏み」について。ヘヴィでありつつ、パンク的衝動と爆発力を持ったナンバーですが、今現在のバンドがシングルとして打ち出すべきものはこういう方向性だろうと?

薫:うん、そうですね。わりと単純明快で勢いがあって、覚えやすくて、でも何か少し入り組んでるような……そのバランス感は最初から決め込んでいたわけじゃないですけど、漠然とそういうものでという感じはあったんじゃないかと思います。

Toshiya:このタイミングでこういう曲が出てきたっていうのは、バンドというものの不思議な何かがあるんだろうなって感じはしますね。分数的にはとても短い楽曲ですけど、単に疾走感があるってことには収まりきらないフックが随所にあったり、自分らでもちょっと一筋縄ではいかないものを作りたいっていう想いもあったし。流されるような音楽ではなく。そういうところで、とても面白い楽曲ができたんじゃないかな。あと個人的には、すごく懐かしい感じがしましたね。曲全体にシンコペ(=シンコペーション)がメインで入ってたりするところもそうだし。

-ああ、なるほど。

Toshiya:不思議な感じがしたんですよね。ただ、単にそれが懐かしいということではなくて、新しさと古さって紙一重みたいなところがあるじゃないですか。もちろん最新型のDIR EN GREYの楽曲なんですけど、でもなんか巡り巡ってきた部分も多少はあったのかなぁって。それが今だからこそ新しく聴こえるし、懐かしくも思えるのかなって。
あまり決め込まないで、曲ごとに対して面白いアプローチをしていきたいなとは思ってます

―たとえば、要所で際立つベースフレーズの作り方も、一周回って戻ってきたようなところもあります?

Toshiya:そうですね、うん。俺の中ではあります。ちゃんとそうした意図を感じ取ってくれて、そういう風に思っていただけたなら嬉しいですね。

―また、激烈である一方で、3分間の中でドラマを創る難しさもあったんじゃないですか?

薫:ホント、そうですね。今回は歌が決まるまで、すごく時間がかかったんですよ。歌のどういう部分を一番に聴かせるかをすごく悩んでいて、いろんなメロディを歌って、いろんなものをハメてみたんですけど、なかなか上手くハマらず、その都度アレンジもいじっていて。やっとこの形に定まるまでが大変でしたね。他にも展開があったりして、今以上にもっとメロウな歌を歌ってくれみたいな感じでもやってたんで。

―冒頭で長いブレイクをとるアレンジもライブ感を感じられて、スタジオでセッションしながら生まれたような印象もありました。

薫:まあ、そういうたたずまいにはしたかったんですね。みんなで音を出して、その場でできた雰囲気みたいな、そういった感じはイメージしてましたね……実際はそうやって作ったわけじゃないんですけど(笑)。

Toshiya:フフッ。

―あ、違うんですね(笑)。

薫:ええ(笑)。でも録りの時も、あそこは実際に弾いてみて、その場でハウらせて、気持ちいいとこになった辺りで演奏がスタートするっていうのは……あれは鳴らしてみないと分からないところでのアレンジでしたから。

―それに、掛け声コーラスが最高ですよね。あれも「詩踏み」のキモになっているところだと感じていて。

薫:コーラスが多いんですよね。……知らされてないんですよ、実際にコーラスを録るまで(笑)。

―ええっ、そうなんですか!?

Toshiya:俺はレコーディングだけはやったけど、ライブでは無理だって離脱しましたから(笑)。

薫:基本は1人で歌ってるんで、全部歌うのかと思ったら、突然「ここはコーラスになります」と。

―やはりレコーディングも緊張感がありますね(笑)。ただ、ライブでも再現されていましたし。

薫:まあ、やらないと…という感じですけど(笑)。

―実際に生で観て、薫さんのワウペダルを使う辺りのプレイも、感情で作っていくようなライブ感を感じられたんですよね。

薫:あのパートはライブ感というよりは、ガチガチに決めた雰囲気ではなく、わりとざっくりした感じがいいかなって入れてたと思うんですよ。フレーズをすべて構築した楽曲にはしたくなくて、それが最後まで残った感じですね。あと、たとえば速い曲の場合、ミュートして刻んだほうが疾走感が出るし、そういうほうがリフとしてカッコよくはなってくるんですけど、今回はそういうイメージではなくて。わりとヌルっとしていてもいいかな、みたいな。その代わり、疾走感を出すために押さえるとこは押さえてという、そういうフレーズにしていきたいなと思ってたんです。

―そこは「詩踏み」に限らず、今のモードとしてあったりします?

薫:何となくは、あまり決め込まないで、曲ごとに対して面白いアプローチをしていきたいなとは思ってますけどね。

Toshiya:そのフリーなところを作るためにも、特にドラムとベースに関してはなるべく決め打ちなところも作っておかないと、とは思っていて。なので、最初のうちに聴かせてもらったデモとかの状態からイメージしたフレーズをなるべく活かしながら、ということが俺は多いかな。で、そこにみんなが乗っかってくるという。


いつも“今まで以上”とは思ってますけど、今回はそれが今まで以上にある
―なるほど。そして、9月から始まるツアーは『DUM SPIRO SPERO』(2011年)が中心になりますが、『VULGAR』の次に持ってきた理由は何かあったんですか?

薫:そこはなんとなくなんですけど(笑)、この一連のツアーの中では、わりと面白いものになるんじゃないかなって気はしてるんですよね。近年の作品だけに、自分らが当時と今とでどう違うのかが分かりやすいと思うんですよ。で、当時は『DUM~』の世界をやりながら次を探っていこうって感じで動いていたけど、今はもうとっくに先は見てるので、純粋に『DUM~』をやるっていう、わりと割りきってやれる感じだと思うんです。当時よりも、もしかしたらもっと深いとこに行くかもしれないし。やってみないと全然分かんないですけど、そういう可能性もあると感じてるので面白いんじゃないかなぁって。

―『DUM~』における構築された世界観に、改めて挑む感覚もあります?

薫:そうですね。あの世界観に挑むような感じは少しありますね。それに身体になじんでる歳月がまだ薄いし、すごく構築していったものでもあるんで、ちゃんと向き合わないと難しいですよね。

Toshiya:もう、まったく同じ気持ちですよ。セールストークってわけじゃないけど(笑)、(一連のシリーズの中で)俺はいちばん楽しみです。あのアルバムは、バンドとして構築する作業がすごく多かったと思うんですね。楽曲ひとつに対しても、アルバムコンセプト的にも、作り上げる感覚がすごく強かった。で、実際そうやって作っていく作業は楽しかったんですけど、俺にとって当時の『DUM~』のツアーというのは、“頑張って『DUM~』を再現しよう”って感じだったんですよ。音源をライブでも再現したい、と。それはそれで間違っていないし、個人的にもすごく面白かったし。ただ正直なところ、やれる部分とやりきれていない部分があったのも事実で。でも今、『DUM~』ってアルバムは何の縛りもないので、すごく自由なんじゃないかなと思いますよね。で、当時の5人とは今はまた違うじゃないですか。考え方もスキルもそうだし。その5人が今あのアルバムを自由にやったらどうなるのかな、っていうところでは楽しみですね。

-そのメニューには、新曲が含まれることも公言してますね。

薫:ええ、やろうと思ってます。今回は2~3ヵ月に1回ツアーがあるんで、ライブの反応だったり、その時の自分たちの感覚で新曲をいじっていけるかなぁって。ライブでやったけどボツる曲もあるでしょうし……どういう状態でやるかによるんですけどね。とりあえずやってみるかっていう感じでやるのか、ある程度できあがってからやるのかは分かんないですけど。

―過去のアルバムと対峙することで、そこから何かインスパイアされるかもしれないっていう期待もあったり?

薫:まあ、そこは無理やり理由をつければつけられる、って感じじゃないですか(笑)。

Toshiya:フフフッ。

薫:あまり考え込まないでやってみて、面白かったらそれでいいかなぐらいの感じのほうがいい気はしますけどね。

―分かりました。そして、今後バンドは10枚目のアルバムに向かうわけですが、すでにリリース時期なども見えています?

薫:一応、この辺っていうのは決めてますけど……まだ、だいぶ先ですね(笑)。10作目だから特にどうこうってものはなくて……まあ、いつも“今まで以上”とは思ってますけど、“次はもっとこうしよう”っていうところは、今回は今まで以上にあるっていえばありますよ。
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